DCアドバイザー(企業年金・退職金制度のコンサルティングを担う専門資格)の資格試験を実施する団体
 
2011.10.13
2011.8.11
 2011.07.29
 2010.12.03
 2010.06.08
 2010.01.18
 2009.08.25




2011.10.13 運用環境等の悪化を踏まえた厚生年金基金等の改正案

10月6日に平成23年以降の国内外の運用環境等の悪化及び平成23年7月14日付で意見公募した「確定給付企業年金法施行令、確定給付企業年金法施行規則、厚生年金基金令、厚生年金基金規則及び関連通知の一部改正について」に寄せられた意見を踏まえて、厚生年金基金及び確定給付企業年金(DB)の財政運営基準について、見直し案が出ました。  
具体的な改正内容は以下のとおり7つありますが、最近の運用環境の影響を踏まえ厚生年金基金の関係が中心となっています。これにより、厚生年金基金への大きな財政運営の影響を緩和させる効果が期待できるものとなるでしょう。
施行期日は(1)、(2)、(6)、(7) が公布日から適用、(3)、(4)、(5) 平成24年度決算・財政検証から適用となります。

1) 掛金引上げ猶予措置(基金、DB) 財政計算の結果、平成24年4月1日以降に掛金の引上げが必要となる基金(指定基金を除く。)、DBに対して、平成25年4月1日まで掛金の引上げ猶予を可能とする。
ただし、本来掛金を引き上げるべき日の前日までに、猶予後に引上げが必要となる掛金を規約に定めることを猶予の要件とする。 <基金:特例通知発出、DB:施行規則附則>

(2) 予定利率の引下げに伴う不足金処理の特例(基金) 平成25年4月1日までの間に、予定利率の引下げに伴い給付設計の変更を行う旨の規約変更を行う場合には、当該規約変更の計算基準日時点の不足金について、掛金引上げの留保を可能とする。
ただし、当該規約変更を行った後は、原則どおり、財政運営基準に基づき財政運営を行うものとする。 <基金:特例通知発出>

(3) 最低責任準備金調整額の算定方法の見直し(基金) 最低責任準備金調整額の算定方法について、
平成11年9月に遡って期ズレ(最低責任準備金の算定に用いる厚生年金の運用利回りについて、適用時期が最大1年9か月遅れること。)が解消されたとして計算した額から最低責任準備金を控除する現行の方法を、直近決算により確定した最低責任準備金とその後1年9か月間適用される厚生年金の運用利回りから期ズレの影響額を計算する以下の方法に見直す。
最低責任準備金調整額 = 当該事業年度末における最低責任準備金 ×{(1+前事業年度における厚生年金運用利回り×9/12) ×(1+当該事業年度における厚生年金運用利回り)-1}
<基金:財政運営基準通知>

(4) 非継続基準抵触時の特例掛金の計算に用いる資産額の見直し(基金、DB) 非継続基準抵触に伴い拠出すべき掛金(特例掛金)の額の計算に用いる資産額について、時価の変動を平滑化した数理上資産額を用いることを可能としていたが、時価ベースの純資産額のみを用いることとする。 <基金:財政運営基準通知、DB:施行規則第63条>

(5) 廃止までの経過措置期間中に回復計画で用いる前提の見直し(基金、DB)
前回意見公募で提案した回復計画の廃止については、即時廃止とはせず、平成28年度の財政検証まで掛金対応を可能とする5年間の経過措置期間を設けることとするが、回復計画に実効性を持たせるため、計画の作成に用いる前提の一部を見直す。
具体的には、基金における最低責任準備金の予測に用いる利率については厚生年金の直近の財政見通しに用いられている予定運用利回り(実績が判明している場合は、その利率)を下回らないものとし、年金資産の予測に用いる利率は基金及びDBの運用実績の過去5事業年度平均又は回復計画作成時における最低積立基準額の算定利率のうちいずれか大きい率とする。また、加入員(者)数は、過去5事業年度の実績を用いて適切に見込むこととする。
<基金:財政運営基準通知、DB:施行規則附則>

(6) 非継続基準における積立基準の引上げスケジュールについての検討(基金、DB)
平成24年度決算から開始する非継続基準の積立基準の引上げスケジュールについては、今後の経済情勢や企業年金制度を取り巻く環境等を踏まえ、必要があると認めるときは所要の検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずることとし、その旨の規定を置く。
<基金:財政運営基準通知、DB:施行規則附則>

(7) 指定基金健全化計画承認基準の見直し(基金) 指定基金健全化計画承認基準については、前回意見公募に係る見直しに加えて、以下のとおり、目標達成のための具体的措置を計画の内容とするよう3 承認基準を明確化するとともに、添付書類等の簡素化を図り、提出時期を弾力化する。
併せて、平成22年度以前に指定された既指定基金についても、見直し後の基準に基づき、計画の変更を求めることとする(提出期限は平成24年2月末とするが、提出困難な場合は、その旨を地方厚生(支)局長に報告した上で、平成24年9月末までに提出すればよいこととする)。
① 目標達成のために必要な具体的措置については、給付設計に関する事項、適用に関する事項、負担に関する事項、業務に関する事項及びその他の事項ごとに改善措置の内容及び実施時期について、代議員会の議決を経た上で記載することを原則とする。なお、上記改善措置の内容及び実施時期については、基金及び設立母体の実情や具体的措置を実施するために必要な期間等を考慮し、その見込みについて記載することも可能とする。
② 指定年度の2月末日までに提出することが困難な場合には、その旨を地方厚生(支)局長に報告した上で、指定年度の翌年度の9月末日までに提出すればよいこととする。
③ ①の具体的措置の実施が見込まれ、具体的な措置に基づく財政の見通しにおいて基金の財政の健全化が見込まれる場合に、健全化計画の承認を行うこととする。
④ 厚生労働大臣が健全化計画の変更を求める場合の提出期限について、変更を求めた日の翌日から起算して3か月後の日が属する月の月末から、変更を求める際に期限を定めることに見直す。
⑤ 健全化計画実施年次報告書(別添様式5)については、指定年度に係るものから提出することとする。
⑥ 健全化計画の様式(別添様式2)中において以下の事項を削除する。
1.財政に関する事項
2.業務に関する事項
3.歴代代議員・理事等名簿 4
.財政状況の経緯と現行のままでの財政見通し <基金:健全化計画通知>


DB及び厚生年金基金の法改正解説は「年金・退職金総合アドバイザー取得講座 第2回」のなかで行います。
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 2011.09.03
確定拠出年金加入400万人超 (日経新聞9月3日朝刊)
2011.8.11 -企業年金に迫る様々な改正-

ついに「国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案」、いわゆる年金確保支援法案が8月4日に衆院本会議で成立しました。公布日は8月10日となります。
昨年の第176回臨時国会で一部修正のうえ、衆議院でいったん可決されたのですが、参議院で継続審議の取扱いとなっていました。この法案により、公的年金の改正のみならず、確定拠出年金の企業型について従業員拠出ができるマッチング拠出を始めとした様々な改正が企業年金に認められるようになりました。


  国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案
(年金確保支援法案)

 1.国民年金法の一部改正
①国民年金保険料の納付可能期間を延長(2年→10年)し、本人の希望により保険料を
納付することで、その後の年金受給につなげることができるようにする(3年間の時限措置)。
②第3号被保険者期間に重複する第2号被保険者期間が新たに判明し年金記録が訂正された場合等に、それに引き続く第3号被保険者期間を未届期間とする取扱いを改め、
保険料納付済期間のままとして取り扱い、年金を支給することとする。
③国民年金の任意加入者(加入期間を増やすために60歳~65歳までの間に任意加入した者)について
国民年金基金への加入を可能とし、受給額の充実を図る。

 2.確定拠出年金法の一部改正
①加入資格年齢を引き上げ(60歳→65歳)、企業の雇用状況に応じた柔軟な制度運営
を可能とする。
②従業員拠出(マッチング拠出)を可能とし所得控除の対象とすること、事業主による 従業員に対する継続的投資教育の実施義務を明文化することにより、老後所得の確保に向けた従業員の自主努力を支援する。⇒ 投資教育セミナーの実例としてセミナー開催いたします。 詳細情報はこちら

③企業年金の未請求者対策を推進するため、住基ネットから加入者の住所情報の取得を可能とすることにより、住所不明者の解消を図る(他の企業年金制度等についても、同様の措置を講じる。)等、制度運営上の改善を図る。 

3.確定給付企業年金法の一部改正
 60歳~65歳で退職した者についても退職時の年金支給を可能とする。
(現行は50~60歳で退職した者についての退職時の年金支給のみ認められている。)

 4.厚生年金保険法の一部改正
  近年の経済情勢を踏まえ、母体企業の経営悪化等に伴い、財政状況が悪化した企業年金に関して、
措置を講ずる。
・厚生年金基金が解散する際に返還する代行部分に要する費用の額及び支払方法の特例を設ける
(※平成17年度から平成19年度まで、同様の措置を講じている)
 ・事業譲渡等を行い従業員を減少させる場合は、積立不足を解消するための掛金の一部
を拠出する義務が事業主にある旨を明確化する   
     
5.施行日
1の①:平成24年10月1日までの間に政令で定める日 
1の②:公布の日(8月10日)
1の③:公布の日(8月10日)から2年以内で政令で定める日
2の①:公布の日(8月10日)から2年6月以内で政令で定める日
2の②:平成24年1月1日
2の③及び3、4:公布の日(8月10日)
  確定拠出年金の改正が目立ち、中途引き出し要件の緩和(個人型年金加入者資格のある退職者にも脱退一時金を認める)、
自動移換者の70歳時点での脱退規定の整備等も盛り込まれています。
しかし、改正はそれだけでなく、確定給付企業年金や厚生年金基金についても盛り込まれており、
 特に厚生年金基金の特例解散については、近年の経済情勢を踏まえ、母体企業の経営悪化等に伴い、財政状況が悪化した厚生年金基金について、平成17年度から平成19年度にも認められたように、国への返還額である最低責任準備金に不足する額を一括拠出しなければならないところを5年分割(やむを得ない場合は10年)で拠出できるとされています。また、分割納付期間中に予定どおり納付できないやむをえない事情が認められた場合は、分割納付期間の延長(最大15年間まで)も可能となっています(5年間の時限措置)。

  この年金確保支援法に加えて、さらに企業年金に迫る改正があります。ついに、平成24年度以降を見据えた確定給付企業年金と厚生年金基金の制度運営の効率化と財政の健全化に資する改正が7月14日に出されたパブリックコメントの募集により明らかになりました。意見募集は8月24日まで行われています。

 企業年金の制度運営については、これまで、より適切かつ円滑に実施できるように各界から多くの改善要望を受けております。このような要望や課題を受けて、企業年金の制度運営の効率化から、様々な見直しを行うこととされており、確定拠出年金への移行の緩和措置やキャッシュバランスプランに東証株価指数等を使用できるなどの措置を含めた以下13項目が挙げられています。

(1)財政再計算時期の見直し(厚年基金)
(2)特別掛金率の計算方法の見直し(DB、厚年基金)
(3)過去勤務債務の償却方法の見直し(DB、厚年基金)
(4)確定拠出年金への一部移行に伴う一括拠出の緩和(DB、厚年基金)
(5)脱退一時金における一時金換算率の要件緩和(DB)
(6)選択一時金における一時金換算率の要件緩和(DB、厚年基金)
(7)キャッシュバランスプランにおける指標の弾力化(DB、厚年基金)
(8)制度終了時における残余財産の優先分配の追加(DB)
(9)申請書類の簡素化(DB)
(10)業務報告の簡素化等(DB、厚生基金)
(11)代表事業主による申請手続(DB)
(12)届出事項の拡大等(DB)
(13)支払終了企業年金の制度終了後の残余財産の取扱(DB)

また、市場の短期的変動が拡大する中で、昨今の金融危機以降、企業年金の財政運営について様々な課題が指摘されていたため、財政の健全化の観点から
(1)財務諸表の簡素化・透明化(DB、厚年基金)
(2)積立状況の的確な把握(DB、厚年基金)
(3)非継続基準の見直し(DB、厚年基金)
(4)指定基金の指定要件等の見直し(厚年基金)
が改正事項として盛り込まれており、特に、継続基準や非継続基準の財政検証の見直し、回復計画の廃止、指定基金の指定要件等の見直しなど、厚生年金基金や確定給付企業年金に掛金の引き上げを初めとした大きな影響が及ぶことが予想されます。

早いものは今年度から施行されるものもあり、翌事業年度には決算・財政検証にも影響が及びます。専門家としての適切なアドバイスを企業は期待しているのではないでしょうか。
年金確保支援法も含め、この改正の影響を早期に確認していくことが求められます。


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2011.07.29
確定拠出年金法の改正、ようやく実現へ

改正確定拠出年金法は29日の参議院法会議で採択、衆議院へ

確定拠出年金法の改正を含む「国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案」は、前国会で衆議院で審議されたものの、継続審議の取扱いとなっていた。
今延長国会では、7月28日に参議院厚生労働委員会で審議が行われ、本日29日の本会議で採択された。
継続審議となった法案は、再び衆議院に付託され、委員会及び本会議で審議される。予定では8月3日に厚生労働委員会、4日に本会議に諮られることになっており、すでに衆議院では前回審議が行われていることから、提出法案のまま採択されると思われる。
改正内容が不明瞭になるくらい遅れたが、ようやく日の目をみそうだ。実施時期が当初案とずれてきているのは仕方がないところで、施行日を確認しておく。
改正事項のうち、掛金の加入者拠出は平成24年1月1日から。規約に盛り込むことにより実現するが、事業主掛金との関係は、両者合わせて現行の拠出限度額以下、かつ加入者掛金は事業主掛金以下である。
また、加入者資格を60歳以上65歳まですること、これに伴う運用指図者の条件の調整、連合会移換者で70歳に達した者の国基連による老齢給付金の裁定、脱退一時金の要件緩和は、公布の日から2年6か月以内の政令で定める日から、となる。
このほか、投資教育の継続的実施は公布の日から、となる。



2010.12.03
-年金確保支援法案は衆議院を通過、参議院では継続審議に-

衆議院厚生労働委員会は11月17日、年金確保支援法案(確定拠出年金法改正を含む)、を可決した。衆議院本会議を経て、同法案は参議院に送られたが、参議院では大臣の交代や問責決議があり、補正予算の審議が遅れたこともあって臨時国会の閉会(12月3日)までに審議は行われず、継続審議の扱いとなった。

結局、次の通常国会で審議されることになるが、国会手続きとしては、参議院で審議され可決成立しても、もう一度衆議院での審議が必要になる。前述のように、衆議院では一度可決しているので、まったく初めて審議される法案とは多少異なる取扱いになると思われるが、手続きとしは両院の審議を経ることになる。

次の通常国会での取扱いであるが、予算審議が優先となるほか、新規の法案も提出されるため、この年金確保支援法案の審議がいつになるかはまったくわからない。唯一の期待は、与野党対決法案ではないため、衆議院では民主、自民、公明など賛成多数で可決されていることで、委員会が開催さえすればスムーズに成立すると思われることだ。ただし、厚生労働委員会で審議される法案のなかにも優先順位がおのずとあり、労働者派遣、介護関連の法案に比べ低いところにある。

確定拠出の改正事項は、
①加入者資格年齢の引上げ、
②従業員(加入者)拠出の実現、
③中途脱退要件の緩和、
④投資教育の継続実施など。









2010.06.08
緊急ニュース
-確定拠出年金法を含む企業年金関係改正法案は結局審議されない見通し-

去る3月5日の閣議で了承され今国会に提出されていた確定拠出年金法の改正を含む国民年金・企業年金関係の改正法案は、6月7日現在、厚生労働委員会の審議日程にはまったく入っていない。国会の動向が流動的で、全般的に法案審議が遅れたこともあって、同委員会は現在、労働者派遣法の一部改正法案の審議に入ったばかりの状態だ。DC改正法は16日の国会終了までに審議される予定はなく、国会が2週間延長されたとしても優先順位が低いため、審議はされない見通しだ。

厚生労働委員会の事務局によれば、提出されている法案の緊急度合いから自然と優先順位がつけられるとのことだが、DC法改正を含む法案の順位は厚生労働分野の最下位となっている。このため、国会が延長されても審議日程には乗らないとの見方だ。同委員会では労働者派遣法、児童扶養手当法、地域医療関連法などが予定されているが、確かに優先順位としては相対的に低位でも仕方ないかもしれない。DC法の改正内容は、加入者資格喪失年齢の引上げ、掛金の従業員拠出、投資教育の継続的実施、自動移換者への老齢給付の実行、脱退一時金の支給要件緩和等であり、関係者にとってはそれなりの意義はあるとしても、わが国全体から見れば、他法より緊急度合いはなさそうである。

しかし、DC法の改正は前政権時代から国会提出後2回審議が流れ、今回は3回目となる。民主党政権で安定的に各法案が審議されると思われたし、与野党対決法案ではないので日程にさえ乗ればスムーズに可決されるはずであったが、この状況では実現に縁がないとしか言いようがない。








 2010.01.18
確定拠出年金法改正案の概要がまとまる
-他の年金制度改善事項と一緒に年金改善法案として審議される-

 自民党政権時代に改正法案として国会に上程されながら、成立しなかった確定拠出年金の改善事項が民主党にも認められ、この通常国会に諮られることになっているが、このほどその概要が明らかになった。国会審議がスケジュールどおりに運べば、予算審議の後の5、6月頃に成立されると予想されるが、周知のとおり国会は予算以外の問題があり動向は予断を許さない。
 確定拠出年金の改善事項は、厚生年金や確定給付企業年金など他の年金問題と一緒に「企業年金制度等の改善等を図るための確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」(年金改善法案)として審議されることになる。
1確定拠出年金法関係
 まず、確定拠出年金法の一部改正では、①従業員拠出を可能とし所得控除の対象とすること、事業主による従業員に対する継続的投資教育の実施義務を明文化することにより、老後所得の確保に向けた従業員の自主努力を支援、②加入資格年齢の引上げ(60歳→65歳)を可能とし、企業の雇用状況に応じた柔軟な制度運営を可能とする。③住基ネットからの情報取得を可能とし、制度運営上の改善を図る。
2厚生年金法・確定給付企業年金法関係
 近年の経済情勢を踏まえ、母体企業の経営悪化等に伴い、財政状況が悪化した企業年金に関して、改善措置を講ずる。①厚生年金基金が解散する際に返還する代行部分に要する費用の額及び支払方法の特例を設ける(平成17年度から同20年度まで同様措置を講じている)。②事業譲渡等を行い従業員を減少させる場合には、積立不足を解消するための掛金の一部を拠出する義務が事業主にあることを明文化する。
3国民年金法関係
 ①国民年金保険料の納付可能期間を延長(2年→10年)し、本人の希望により保険料を納付することで、その後の年金受給につなげることができるようにする。②国民年金の任意加入者(加入期間を増やすために60歳~65歳までの間に任意加入した者)について国民年金基金への加入を可能とし、受給額の充実を図る。
4施行日
 平成23年4月1日(予定)。ただし、項目によっては異なるものがあり、1の①は平成24年1月1日施行、1の②は平成24年4月1日施行。3の①は平成23年度中。








 2009.08.25
DCの改善事項の動向
政令改正により拠出限度額引上げが実現、実施は来年1月実施

■政令事項は7月末に承認される
確定拠出年金の掛金の引上げが来年の1月より実施されることとなった。掛金の拠出限度額は政令レベルでの改正になるため内閣の承認で実現でき、与党税制改正大綱でも認められているため手続き次第とされてきた(衆議院解散後も既存内閣は存続)。問題は政権交代があると内閣自体が代わり、税制改正大綱の効力も不明となってしまうため、当局も急ぎたかったようだ。7月29日時点で改正確定拠出年金法施行令が公布され、施行は平成23年1月1日となっている(7月29日付官報掲載)。
改正内容は、企業型年金の掛金の拠出限度額が企業年金無しの場合が4.6万円から5.1万円へ、企業年金有りの場合が2.3万円から2.55万円へ引き上げられる。個人型年金は第2号加入者の1.8万円が2.3万円となる(第1号加入者は従前どおり6万8千円で、国民年金基金との合算)。掛金の拠出限度額の引上げは、非課税限度額の引上げであり、税の環境が厳しいだけに要望が通りにくい。それだけに小幅な引上げで仕方の無いところだが、同制度だけで退職金を作っていこうとする企業の中には、現在の掛金限度では従前の水準を維持できないとする例もある。しかし、企業型年金で掛金が上限に張り付いている制度は現実にはそう多くは無いのも事実で、これを大幅に引上げると、出せる企業と出せない企業との格差を生むし、公的年金との主従の関係の論議にも飛び火する。要するに、国としては公的年金が中心の年金制度であり、企業年金は補完的制度という位置づけである。企業が出せるからといって、むやみに上限を引き上げるわけには行かない。ただ個人型年金に関しては、個人の懐具合や感覚が影響するので、枠は大きいに越したことは無いだろう。
なお、改善案のうち法律事項は国会審議が未了となり、実現は見通しが立たないことになった。
 

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